アンの目を見て悪戯っぽく笑う。

「よ、夜這いじゃありません!寂しかったから、クリスのベッドに忍び込んだの」

アンは顔を真っ赤にして否定する。

「それを夜這いと言うんだ」

「言いません!」

こうやってムキになるところが可愛くて仕方がない。

だから、少し気になってしまう。

「まさかと思うが、ディオンのところにも同じように忍び込んでないだろうな?」

「それは……え〜と……」

少しずつ俺から目を逸らそうとするアン。

すぐに否定しないということは、過去にあったということだ。

「何回行った?」

思わずキツイ口調になる。

「……クリスが国王陛下の遠征に一緒について行った時に1〜2回」

一回と答えないということは、実際は2回行ったのだろう。