「私に惚れないでよ。アンの周りを小さな使い魔がうろついていたから、何かあるとは思ったの。まあ、あなたがアンに結界を張っていたから、使い魔はアンに悪さは出来なかったけど」

「フィオナはアンを狙っている」

「そうみたいね。この膜もあなたがアンの元に行けなくするためよ、きっと」

コレットの言葉に引っかかりを覚えて、片眉を上げる。

「ほお、お前、アンが城を出るのを知っていたな?」
ギロリとコレットを睨みつけるが、彼女は俺の眼光に怯まなかった。

「私を追及する時間はないんじゃないの?ほら、もう外に出れるわよ。探しものを見つけて戻ってきなさい」

コレットは膜がなくなった青い空を指差し、平然とした顔でこの俺に指図する。

ホント、大したタマ。

心の中でそう呟くと、彼女が仲間に加わったことに感謝した。

「後を頼む」