騎士達がじわじわと私達に近づいてくる。

すると、モコがハーッと炎を口から吐き出した。

「アチチ!」と悲鳴を上げて飛び退くエッジウェアの騎士達。

その背後からも新たな騎士達が現れた。

一体何人いるの?

そんなことを考えていたら、見覚えのある赤髪が見えて、背筋がゾクッとした。

「……シャメル国王」

やっぱりエッジウェアの騎士なんだ。

「これは、いいところで会った。娘と聖獣を捕らえよ」

シャメル国王は私を見て口元を綻ばせると、部下に命じた。

騎士達は剣を抜いて私達を取り囲む。

またモコは火を吹いて牽制し、その場で呆然としている私を口に咥え、前へ走り出した。

「モコ、このまま逃げ切って!」

後方にいる騎士達に目を向け、叫ぶ。

騎士達は追ってこない。

だが、弓矢を用意して、私とモコめがけて矢を放った。