アンがモコの顎を撫でると、モコはニャーと返事をするように鳴いた。

「モコとずっと一緒にいて、ラミレス王と同じ紫の瞳を持って……これらから考えられることはアンがラミレス王の血を引いているということだ」

「……私が……ラミレス王の血を……引いている？」

アンは呆然とした様子で呟く。

突拍子もないことを聞かされて、頭が混乱しているのだろう。

アンの腰手を回して後ろから抱き寄せると、俺は彼女に頰を寄せた。

「驚くのは無理もない。フィオナがアンを狙っていたのは、お前がラミレス王の血を引くからだ。だが、大丈夫だ。俺とモコでお前を守る」

「私には……ラミレス王のような力はあるのかな？」

「力に目覚めていないだけかもしれないし、まだわからないが、アンと寝ていたらいつもよりも早く俺の身体が回復した。魔力を使うとかなり体力を消耗するんだが……」