この山に近づいてみてわかった。

神秘的な雰囲気で、心が浄化されていくような感じがする。

「何だか不思議。心がスーッとして綺麗になっていく気がするんだけど……」

アンも俺と同じようなことを思ったみたいで、そんな感想を口にした。

「ほお?じゃあ、アンはいつもいやらしいことばかり考えてるんだな。例えば、俺に抱かれるとか」

悪戯っぽく笑って言えば、アンは全力で否定する。

「違います!……いつも城から見ていたせいかな?何だか懐かしい感じがして、心が惹きつけられるの」

アンがそう言うなら、本当にラミレス王はここに眠っているのかもしれない。

モコもこの山に反応している。

最初は山の雪で反射してモコの毛が光って見えるのかと思っていたが、モコ自身が銀色の光を放っている。

それに、この冷気も、ただの冷気じゃない。