クリスの寝間着を脱いで、着替えようとしたら、身体中に彼がつけた鬱血痕がついていて、身体中の血が沸騰しそうなくらい恥ずかしかった。

これが彼に愛されてるしるしと思えたらどんなに幸せか。

わかってる。

きっとフィオナに狙われないための、これは何かしら魔法がかけてあるのだ。

そう割り切って考えてしまえば、急に虚しさを覚えた。

沈んだ気持ちで、昨日着ることがなかった濃紺の侍女服に袖を通す。

これを着るとシャキッとするのは、一種の職業病かもしれない。

だから、つくづく思った。

私は侍女なんだなあって……。

豪華な天蓋付きのベッドも女の子なら誰だって憧れるけど、実際にそこで寝るのは落ち着かない。

分不相応という言葉がピタリと当てはまる。