一体このあざは何なのだろう?

黒いあざに触れながら、彼の胸に自分の身体を預けた。

神さま……どうか私から彼を奪わないで ……。

そのためならこの命……捧げてもいい。

目を閉じて懇願する。

頭の中は不安でいっぱい。

なのに、こうしてクリスに触れていると、不思議と気持ちが落ち着いてくる。

身体に感じる彼の体温。

「……アン」

クリスが寝言で私の名を呟いてギュッと抱き締める。

ただこうしているだけで幸せ。

もっと彼に近づきたくて、彼の胸に頰を寄せた。

それから、また私は眠ってしまったらしい。

次に目を開けたら、温かい目で私を見ているクリスと目が合った。