コンコンとドアをノックする音で目が覚めた。

辺りを見回せば、ここは……クリスのベッド。

そして、私は彼に抱かれて横になっている。

瞬時に昨夜のことを思い出し、ボッと火がついたように顔の熱が上がった。

私……昨日……クリスに裸を見られて……身体中にキスされたんだ。

「……クリス様?」

ドアの外からラルフ宰相の声が聞こえてきてドキッ。

慌ててベッドから起き上がろうとするが、しっかりクリスに身体を掴まれていて動けない。

後ろにいるクリスを振り返れば、彼はぐっすり眠っていた。

「クリス、起きて」

声を潜め、クリスの身体を揺さぶるが、彼が起きる様子はない。

……マズイ。

こんな親密なところラルフ宰相に見られたら……。