「モコならもう上がった。大丈夫。モコに裸を見られる心配はない。さっきの続きをやろうか?」

クリスは私の瞳を捉えると、目を細めて笑った。

この前のような切羽詰まった様子はない。

今夜のクリスは悪魔のように意地悪で、私の反応を楽しんでいる。

ゴクッと息を呑む私。

もう……本当に逃げられない。

両手で胸を隠そうとすると、クリスに簡単に手を掴まれ岩場に押し倒された。

「綺麗だ」

一糸まとわぬ私の姿を見てこの上なく甘い声で囁くクリス。

冷たい空気が肌に触れたかと思ったら、

クリスの生温かい唇が胸に触れて、身体が一気に熱くなった。

奪うんじゃなくて、与える。

そんなクリスの想いが伝わるキスは、甘美な痛みを伴って私を翻弄する。

その唇は優しく、荒々しさはない。