今の私を、朝陽に見せる……?

まさか、そんなことできるはずがない。

だって、朝陽とはもう一週間も顔を合わせていないのだ。

そもそも私と朝陽は決別したのに、今更どんな顔で会えというのだろう。


「ほら、月嶋さん!」

「…………」


日比野さんが私の手を引いて、立ち上がった。

朝陽に会うなんて、そんなの無理に決まってる。

だけど、心のどこかで未だに少しの期待をしているバカな自分がいるのも確かだった。

……今の私を見たら、朝陽はなんて言うだろう。

可愛い、って……あの子みたいに、朝陽の隣を歩いても違和感がないと思ってくれるだろうか。

ほんの一瞬でも、私に目を向けてくれるかもしれない。

ほんの少しでも、私をその目に移してくれるんじゃないか、なんて。そんな浅はかで淡い期待を抱いてしまっている自分がいた。