─……ん! ……ちゃん!─


─ほら、みてみて!
……で、……ね?─




……これは……夢?


これ……あたしの小さい時……?

公園で誰かと……話していた。


でも、それは……誰?

薫……?



─……れ、は……
……だから……─



……違う。


大事な所ばかりがぼやけて見えなくて聞こえない。


あなたは……誰?



─……ちゃんは……
あ、て……なら……─




その子とあたしは……何を話しているの?


答えを知りたくて伸ばしたその先に在る……


あたしと“誰か”の世界は壊れていく。





─あのねっ……綾。
あたし……薫くんと……─


─オレ……さ!
実は……杏華と……─




やめて、やめて、やめてよ……


もうそんな言葉……聞き飽きた。



再び目の前に広がったのは同じような顔をして頬を赤らめる杏華と薫の2人がいる景色……




─その……あたし達……付き合うことになり、ました……っ─


─付き合えることに、なったからさ、その……色々とまぁ、ありがとなっ……─





嫌だ、嫌だ、嫌だよ。


遠くにいかないで……薫……


薫……!!