なに……本当。


アンタなんか……あたしの18年間のことなんて1つも知らないくせに……


なんで……前にも会ったみたいな口振りで語ろうとしてくるわけ?




「勝手に言ってろ」


「ああ!!
ちょ、どこ行くのよー!」


「……うるせーな、帰んだよ。
変な気起こして着いてくんなよ。
変態が出たって警察に突き出すから」


「誰が着いてくかー、馬鹿ヤロー!
人を勝手に変質者扱いしないでっ!」




だがそれを自然な流れで言及しようとしたことを見抜かれたかのようにアイツはそそくさと帰っていく。




「……てか何のためにあそこいたわけ?」




それは、アイツがいなくなった今となっては……

分からないんだけども。



あの妙に鋭い目つき……


見覚えがある……ような、ない、ような。


ある……ような。


アイツ一体何者?

怖い怖い。

会ったことない……はずだよね?

まさか人の記憶まで操作出来ちゃう?


あたし……あんな失礼通り越して人間味疑うような奴知らないよ……?

てか会ってたとしたら忘れる訳もないわ。


第一声そうそうブサイクて……。



「んぁー!
やめやめ!
……帰ろ……」




1人でバタバタ騒いでいる空間を客観的に見つめてみると中々滑稽に見えたことにやっと気付いて。


なんだかとても疲れたように思える体を引きずって帰路に就いた…────────