“ブサイク”……??
「そんなもんねぇ!!!
あたし自身が一番よく分かってるわぁー!!
この顔何年見てきてると思ってんのぉー!」
「……はいはい。
まぁ怒る気持ちは分かるけども」
「その顔が一番ブサイク」
「なぁ!!
こんのー、ばかおる!」
「馬鹿と薫とくっ付けんじゃねぇ!」
「はい、兄妹喧嘩はおしまいおしまい」
「誰が兄妹だ!」
「誰が兄妹よ!」
「……うん。
兄妹だねぇ」
あー、ムカつくムカつく!
薫もそうだけど!!
なによりアイツよ、アイツ!
「光里遼雅めぇ……!!」
思い返すだけでむかっ腹が立つ……!!
あたしの表情に、おー怖い怖いとおちょくってくるのは幼なじみの薫。
こんな当たりだけど……あたしの好きな、人。
「もう、薫くんそれ以上言ったら喧嘩になるって分かんないかなぁ」
姉口調でたしなめるこの子は高校に入ってから仲良くなり今や親友的存在の杏華。
……ちなみに薫の彼女で。
3人でお昼を食べている何とも言えない状況……。
最初は杏華と2人で食べていたけど、昨日晴れて付き合うことになった薫と杏華。
そしてなぜか、あたしまで連行される羽目に……。
こんなんなら1人で教室で食べてる方がマシだ……
「しっかし面と向かってブサイクって……くくく」
「……コルァ」
「ほらもう綾もそんな怖い顔しない!」
「だって、だって、だって!!
初対面だよ!?
有り得ますぅ、普通!」
光里遼雅とは昨日、図書室で会ったのが初めてだが噂はよく聞いていたから知っている。
もちろん、噂とは良くない方の。