……最っっっ悪だ!!!


なんでこんなことになる!?




「と言うか!
薫、コイツと仲良いの!?」


「綾もだろ?」




買ってきてくれた飲み物を置いてくれた杏華、そして薫が座った所へ間髪入れず問い掛けた。


薫……何言ってんの?


お互いコイツとは一回もクラス一緒になったことないし……。




「あたし……?
なんで?」


「コイツは覚えてねーよ」


「な!
え、ちょ……じゃあアンタも覚えてんの!?」



あたしへ向けた薫の言葉に代わりに光里遼雅が答えた。




「昔よく3人で遊んでただろ?
まぁ、ある日パッタリ遼雅は来なくなったけど」




─────────…その時、脳内で記憶が鮮明にフラッシュバッグした。





─……ちゃん! りょうちゃんってば!─


─なに─


─みてみてー、チョウチョ!
かわいいでしょー?─


─別に─





……そうだ。


あたしが今日、夢を見ていて出てきた男の子は……りょうちゃん。


“みつさと りょうが”




「……う、そ……
嘘だよ!」


「なんでオレが綾にそんな嘘つく必要あんだってのー」


「……じ、じゃあ……本当に……」




チラリ、光里遼雅へ視線を向けたら目が合っただけで殺されるんじゃないかというぐらいで。




「で、でもそうだとしても!
アンタがあたしに冷たく当たる理由にはならないでしょーが!」


「そんなんオレの知ったことじゃねぇ」




ムカつく!


うん、それだけ。


過去のことが分かったとしても、それだけだ。