「ってぇ!
なにすんだこの馬鹿力!」


「乙女に向かってなんてこと言うの!」


「綾の言う乙女の概念がオレには何一つ分からねぇ……」




肩を大袈裟に押さえて喚く薫は無視。




「そう言えばもうすぐ文化祭の準備始まるよねー」


「あー、確かに。
まぁその前に期末テストあるけどな」


「…………ん?」


「え、いやだから期末テストだって」


「…………嘘だよね?
杏華、嘘だって言ってぇぇぇぇぇ」


「ざーんねんっ。
薫くんの言ってることが本当です」




嘘、嘘、嘘だぁぁぁぁ!

やばいよ、何もしてないし!?


失恋どうのこうので騒いでる場合じゃないし!!!


てかむしろそのことばっかり引きずってて一切してないよ、勉強なんて!?




「てかこの期末はまじで勉強しねーとやべーぞ?」


「うんうん。
もうテストも最後だしこれが進路にもかなり響くらしいし」




……うん。


オワッタ……

あたしだけ完全に取り残されてる、何もかも……。






「……お、おーけー……」


「終わったな、綾っ」


「笑いながら言うなぁー!
他人事だと思ってぇ……!」


「まあまあ。
ほら今日から学校で一緒に勉強しよ?」


「……うう、神様ぁー!
ありがとう杏華!!」


「それにしても珍しいね、綾」


「へ?
なにが?」