なんで、
『前の私』が、
この手紙を開かなかったのか、
わかったような気がした。
だって...
私は、
あっちこっちに散らばった手紙を
広い集め、木箱のなかに戻す。
彼は、私にたくさんの愛をくれた。
たくさんの優しさをくれた。
だけど、それはすべて、
『前の私』にたいしてだ。
『前の私』も『今の私』も
それを返すことはできない。
そんなこと、わかっている。