手が震えて、
視界がゆがみ、
なにも音が聞こえなくなった。
聞こえるのはただ、
自分の心臓の音だけだ。
蓋に手をかける。
ゆっくり、少しずつ、
蓋を開く。
開けてみたものの、
怖くて、目が開けない。
ほんのり、
古い木の匂いと、
紙の匂いがする。