「今の若い子って、友達同士でも部屋を別々に取るのね」
周りからそんな言葉を掛けられた。

当たり前みたいに隣にいる彼女とは、実は昨日出会ったばかりだった。

3泊4日ツアーに参加していた。

彼女と初めて会ったのは空港。お互い、一人旅同士で参加していた私たちは、1日目にすっかり意気投合した。

「同い年なんだ!宜しくね」
彼女は笑うと両頬に笑窪が出た。

1泊目の部屋がとても寒くて、私たちは、一人部屋追加料金を払ったにも関わらず、同じ部屋で寝た。

「私、4歳年上の彼氏と、遠距離してるんだよね。彼は九州に住んでて、いっつも、私が九州に会いに行ってるの。彼からは来てくれなくて…。気分転換したくて、ツアーに参加したの。」

初対面だったけど、私は彼女の恋話を聞かせて貰った。
私は、彼女の綺麗な長い黒髪と、長い睫毛が気になった。

「髪は、エクステじゃないよ。長い間伸ばしてる。睫毛は、つけまだよ。」
私の周りでは、付け睫毛をするようなお洒落な女子はいなかった。
彼女はとてもキラキラして見えた。

それから、旅の最終日まで、彼女と一緒に過ごした。
1人で参加したということも、忘れていた。

彼女とは、帰国してからも、月に一度ランチをする仲になった。