笹島の妹はごそごそと鞄を漁り、その中から布に包まれた何かを取り出した。
その布を丁寧に外していく。
「これは……」
「これが景品の色紙だ。本物だぞ」
どうやら取り出した物は景品の色紙のようだ。
いつきは黙ったまま色紙を凝視した後、顔を上げた。
「すみません。やはり参加してもよろしいでしょうか?」
「えっ!?ほんとに!?もっちろんだよー!!」
「有難うございます」
「いつき様はこの方のファンなのですね」
「いえ。俺ではなく、若が凄く好きでして」
「なるほど。それでは私も全力でお手伝い致します」
いつきが欲しい物よりも、一が欲しがる物が景品のほうがいつきは参加する。
どうやら一の計画通りに進んだようだ。
いつきは梅宮から紙を2枚とペンを受け取った。
「こっちはこの商店街の地図。こっちはメモ用紙です。商店街の色んな場所に紙が隠されています」
「その紙に書かれた文字を繋げると、とある場所がわかる。そこがゴールだ。景品はそこで渡そう」
「お兄さん、お姉さん頑張ってねー!ばいばーい!」
立ち去るいつき達に、ぶんぶんと手を振る伊藤。
「真夜、あれと同じ地図をあとで送ってくれるか?」
「いいっすよ」
「よろしくね、真夜くん」
真夜と別れ、俺と静音もいつき達を追い移動した。