静音がいつきを連れて家庭科部へと行った後。
部室での留守番を任された俺と宮井はソファに座り、各々携帯をいじったり、何かしら時間を潰していた。
暫くすると宮井は立ち上がり、椅子を持つと棚の前に置いた。
次に鞄からカメラのような物を取り出すと、それを手に持ったまま椅子の上に乗る。
そして、背伸びをして棚の上に取り付けを始める。
何をやっているんだこいつは。
まさかあれ…監視カメラとかじゃないだろうな。
「宮井」
「なんでしょう?」
「一応聞く。何をやってるんだ」
「何って監視カメラの設置ですよー。まぁ監視カメラといっても録画しか出来ませんが」
見たらわかるだろうとでも言うように当然の如く答える。
こいつが変な言動を起こす時は大抵、静音絡みだ。
普段は礼儀正しい普通の女子生徒だと思うのだが、静音が関わった途端にこうなる。
次は何をやるつもりなのだろうか。
「ふっふっふ…これで完璧です……」
設置を終えたようで、満足そうに再び俺の隣に座った。