- 柊也side -
1月31日、午前10時38分。
月桜から北西の場所にある商店街に俺は来ていた。
「さむ……」
さすが冬の真っ只中。着込んでいても寒さを感じる。
建物の陰に隠れ、広場に目を向けるが、どうやらまだいつきもメイドも来ていないようだ。
まぁ、まだ予定時間の20分前だから来てなくても不思議ではないが。
どうして隠れていつきとメイドを待っているかというと、それは6日前に遡る。
珍しくいつきが1人で部室へと来たかと思えば『和食を美味しく作れる人を紹介して欲しい』という依頼をしてきた。
どうやら2月1日の一の誕生日のために作る練習をしたいらしい。
それを聞き、静音と悠は『姫路』という人物を思い浮かべ、いつきに姫路を紹介することとなった。