総司に言うと多分反対されるだろうから…それに私の決意が揺らいでしまうかもしれないからあえて言わなかった。






決行日






『では、土方さん、行ってきます』






「あぁ。観察役の山崎に見張らせる。何かあったら叫べ」







『わかりました』






私は刀を持つと、古高の営む炭薪商店へと向かった。






3日に一度、長州の仲間が様子を見に来るらしい。それが、今日だ。






私は、店で出向く古高の姿を確認すると、物陰に隠れ、炭薪商店の塀を見張っていた。






すぐに旅人のような格好をした一人の男が炭薪商店へ近づくと、塀の壁をコン、ココンと、暗号のように叩いた。
すると、古高が裏へ回って塀の扉を開けて男を中に入れた。







何分経っただろうか、男が出てきて、来た道を戻って行った。







私はその後を付けると、人気のないところまで来て、男は立ち止まった。