あれから数ヶ月が経ち、梅雨の季節になった。





気のせいだろうか、最近屯所が騒がしい。会議を行う回数が増えた。そして隊の皆も更に稽古に励むようになった。






ほんとうに気のせいなのか。






ううん。気のせいなんかじゃない。その時、教科書で読んだ一人の名前が浮かんできた。







………古高俊太郎







池田屋事件の発端、鍵になる人物だ。時期も確か五月頃。間違えない。






私はすぐに掃除を切り上げると、土方さんの部屋へと急いだ。






『瞳です。少しよろしいでしょうか』






「ん。入れ」