結城悠はすごく、すごく変わってる。


こんな地味で浮いてるわたしに話しかけてきたし、


笑ってばかりだし、


なぜか隣にいるし。


それに、わたしは何も喋らないのに全然気にするそぶりを見せないんだ。


変なの。


「じゃあ穂花って呼んでいい?」


彼はごろんと斜面になった芝に寝転がって聞いた。


えっ…?


「…いいよ。」


だって、もうそういうしかないじゃん。


「よっしゃ!名前ゲット!」


何が面白いのかけらけら笑ってる。


「俺の名前は、」

「結城悠。」


彼はびっくりしたような表情になったけど、すぐにパアッと明るく笑みを作った。


「知ってたんだ!?うおー、すげー!」


ガバッと起き上がったから、彼の髪の毛には葉っぱがたくさんくっついている。

背中にも乾いた土がところどころ付いている。


なんだかどこか抜けてる人だな。