穂花の気持ちは、それでも、いつになっても読めることはなかった。


友達が欲しいのかと思ってたら違ったし、泣き止んだかと思ったら瞳を潤ませるし。


全然心が読めなくて、それがまた俺を狂わした。



穂花に親父がいないことには気づいていた。



それがどれだけ穂花の心に傷を作っていたのか、


どれだけの辛さを経験してきたのか。




きっと俺は、穂花を自分に重ね合わせていた。




優しい瞳の奥に悲しみがあることを知っていたから。




卑怯にも、どれだけ壮絶な過去があっても、それでも、生き生きとしている彼女を見て、自分も大丈夫だって言い聞かせていたのかもしれない。




そして、一人で頑張ると決めていたのにもかかわらず、俺は儚くも、願わずにはいられなくなってしまった。



ー俺が、穂花のそばにずっといてえな