「今日、もしかして体調悪い?」


「えっ?」


お昼、昼食を摂りながら冬央ちゃんが心配そうに尋ねてきた。


「ていうか、最近あまり元気なさそうだよね?
大丈夫?」


「………」


気付いていたんだ、私の心がどよめている事に。


私の心には上がり下がりの循環がある。


ふとした瞬間心が落胆して飲み込まれる。


制御しようとしても、気持ちを保つ事に精一杯で、心までは保つ事ができない。



「もしかして、助っ人嫌だった?」


「えっ」


「最初、誘った時少しだけ困った表情してたのに、無理してOKしてくれたんじゃないかと思って、気になってたんだよね」


「………」


別に助っ人は嫌じゃなかった。


むしろあの時は調子はまだよかった。


原因は……。


「というか、ことはっていつもそうだよね? スポーツ好きだけど、体育はあまり好きじゃないよね? みんなとするの苦手って感じがする。違う?」


全然違わない。


むしろその通りだ。


私は確かに体を動かす事は好きだけど、みんなで行うスポーツははっきり言って苦手だ。


2人や3人ならまだ大丈夫だけど、人数が多くなると嫌になる。


決してできないって訳ではないし、言われたらちゃんとできる。


でも、心の中では苦手という意識に駆られる。


だから、昔みたいにスポーツを楽しめなくなった。


好きな事は好きだって言えるのに、みんなとする事に抵抗がある。


特にスポーツは苦手と感じている。


他の事は別に楽しめるのに、体を動かすものはほとんどが苦手だ。


そうなってしまった理由は、自分でもはっきり分かってる。


私のトラウマと関係ある事で、どれもくるなちゃんが関わるものだ。


ほんとは中学の時もバスケ部に入りたくなかったけど、でもバスケは好きだった。


それに運動部なのに緩かった活動だったから続けらたのもある。


私がなぜみんなとスポーツするのが嫌なのか、それは思い出したくないからなのかもしれない。



バスケがボールを持てなくなった時も、ちょうどミニバスケの活動時間だった。


運動をずっとしたかったという単純な感情ではない。


結局は全てにくるなちゃんが関わっているという事だ。