冬央ちゃんは私の事情は何も知らなくて、ただ体力がないだけと、それだけだ。


それでも、冬央ちゃんは何か追求したりもしない。


むしろ理解してくれている。



「ねえーバスケ部入ってよ!」


「そうだよ!」


「そんなに上手いのにもったいないよ」


「えっえっと…」


バスケ部の部員の人達にいきなり問い詰められ、どう反応をしたらいいのかわからない。


(困ったな…)



「ああーごめんな。
月野さんは、体力なくて続かないんだよ」


問い詰められて困っていたら、来宮先生が助け舟を出してくれた。


来宮先生も対して私の事情を知らないけど、冬央ちゃんと同じ体力がないという認識でしかないけど、それでも理解してくれている。


先生によっては理解してくれない人はいると聞くが、来宮先生は理解があって私に色々配慮してくれる優しい先生だ。