「ほっとけないから、気になるっていうのは良くないの?」
気にするっていう感情が矢吹くんにとっては鬱陶しいものなのだろう。
無視してほしいとか、ほっといてほしい感情なんだろう。
「俺からすれば放っといてほしいんだよね。あんまり干渉されたくなくて、だから、本当の事言えば気にしないでほしいっていうのが、俺の本心」
やはり、そうなんだ。
どんなに言っても無駄なのかな。
もうムダだと理解し、思わず顔を悲しい表情でしかめる。
(ああ、彼ともっと仲良くなりたかったのにな)
きっと、これからも壁を感じながら避けながら、接するのだろうか。
そう思うと、すごく悲しくなった。
「でも、…君は違うんだね。本当に変な子だね」
「………」
私は矢吹くんからすれば゛変な子゛というイメージが付いているのか。
それは、それで残念だけど…。
「………」
でも、矢吹くんの気持ちも分からなくはないのも事実なんだ。
私も抱えている事情に出来る限り「追求しないでほしい」「トラウマに克服したらいい」などの、一定以上の干渉してほしくないと思ってる。
それ以前に、私の事情を他人に言えるような感情など持ち合わせていないのだから。
「ことはちゃんはさ、同じように事情を抱えているのにどうして俺に気に掛けようとするのはなんで?」
「それは…」
確かにそれは不思議な事だと言える。
私は自分自身が抱えているものに他人には絶対に言えなくて、もし言ってしまったら怖くて感情が変になって、癇癪を起してまた心の中に閉じこもってしまいそうになる。
それだけは、どうして嫌で人に言えない理由でもある。
「本当、変な子だね。
気にするなら勝手にすればいいんじゃない」
「…………」
ふわっと生温い風が吹いた同時に、矢吹くんの表情もふわっと悲しめにほろこびを向けられる。
「………」
『勝手にすればいい』
妙にその言葉が胸に突き刺さってくる。
なぜ?
「じゃあ、俺帰るけど」
「うん」
結局、何かが変わった訳でもなく、伝えたい気持ちは伝えただけで、矢吹くんに何一つ響く事はなく終わってしまっている。
(はあ)
なんだろう、この不甲斐なささは。
モヤモヤ感が残っていて、いまいち伝えきれていない部分点がある気もする。
「………」
ここにいても仕方ないので、矢吹くんの後を追うように歩き始める。
と、ふいに何かにつまずいてしまったのか、思わず体制が崩れる。
「あっ!」
「!」
倒れる寸前に矢吹くんが私の声に気付き膝が地面に付く前に助けてくれた。
「大丈夫?」
「あ、うん」
膝に付きはしなかったけど、左手は地面に付いてしまっている。
というか、この体制ある意味抱きつかれている感じが近い気がするけど。
気にするっていう感情が矢吹くんにとっては鬱陶しいものなのだろう。
無視してほしいとか、ほっといてほしい感情なんだろう。
「俺からすれば放っといてほしいんだよね。あんまり干渉されたくなくて、だから、本当の事言えば気にしないでほしいっていうのが、俺の本心」
やはり、そうなんだ。
どんなに言っても無駄なのかな。
もうムダだと理解し、思わず顔を悲しい表情でしかめる。
(ああ、彼ともっと仲良くなりたかったのにな)
きっと、これからも壁を感じながら避けながら、接するのだろうか。
そう思うと、すごく悲しくなった。
「でも、…君は違うんだね。本当に変な子だね」
「………」
私は矢吹くんからすれば゛変な子゛というイメージが付いているのか。
それは、それで残念だけど…。
「………」
でも、矢吹くんの気持ちも分からなくはないのも事実なんだ。
私も抱えている事情に出来る限り「追求しないでほしい」「トラウマに克服したらいい」などの、一定以上の干渉してほしくないと思ってる。
それ以前に、私の事情を他人に言えるような感情など持ち合わせていないのだから。
「ことはちゃんはさ、同じように事情を抱えているのにどうして俺に気に掛けようとするのはなんで?」
「それは…」
確かにそれは不思議な事だと言える。
私は自分自身が抱えているものに他人には絶対に言えなくて、もし言ってしまったら怖くて感情が変になって、癇癪を起してまた心の中に閉じこもってしまいそうになる。
それだけは、どうして嫌で人に言えない理由でもある。
「本当、変な子だね。
気にするなら勝手にすればいいんじゃない」
「…………」
ふわっと生温い風が吹いた同時に、矢吹くんの表情もふわっと悲しめにほろこびを向けられる。
「………」
『勝手にすればいい』
妙にその言葉が胸に突き刺さってくる。
なぜ?
「じゃあ、俺帰るけど」
「うん」
結局、何かが変わった訳でもなく、伝えたい気持ちは伝えただけで、矢吹くんに何一つ響く事はなく終わってしまっている。
(はあ)
なんだろう、この不甲斐なささは。
モヤモヤ感が残っていて、いまいち伝えきれていない部分点がある気もする。
「………」
ここにいても仕方ないので、矢吹くんの後を追うように歩き始める。
と、ふいに何かにつまずいてしまったのか、思わず体制が崩れる。
「あっ!」
「!」
倒れる寸前に矢吹くんが私の声に気付き膝が地面に付く前に助けてくれた。
「大丈夫?」
「あ、うん」
膝に付きはしなかったけど、左手は地面に付いてしまっている。
というか、この体制ある意味抱きつかれている感じが近い気がするけど。