また走りだすと、ぴたっとすぐに止まる。


「…あっ」


分かれ道の向こうに広がっている場所に目を向ける。


「……これ以上はダメだ。戻らなきゃ…」


このまま真っすぐの分かれ道の方にも行けなく、もうずっとここから先は進む事が出来ずにいる。


そう、あの日からずっと。


「……」


私は俯きながら種を返し軽く唇を噛み締めながらおばあちゃん家の道へと走りながら戻った。



「はあ…はあ…はあ……はっ」


思い切り走って戻ってきたせいか、息切れでだんだんと苦しくなっていく。


おそらくあの人の家が近くがあったせいで緊張と恐怖の感情が走ってしまったからだと思う。


息切れをしながらその場にしゃがみこみ落ち着くのを待った。



「はあ…はあ…はあ」


思わず思いっきり走ってしまった。


いつもは思いっきり走らないようにしてるのに。


どうしたら治るんだろう…この体。


運動は出来るけど長時間はどうしても続ける事がどうしてもできない。


一定の時間が過ぎると息切れで胸が苦しくなる。


ただ原因というのはよくは分からないけど、おそらくあの日に起きた色々な事が絡み混ざって、緊張が走り限度が超えると出来る事が出来なくなってしまい体に異常が起きてしまう。


ただ、どうしてそうなったのか自分でも分からない。


それに、あの時の記憶というものが曖昧ではっきりしていないのも事実だ。


普段は特に大丈夫だってかかりつけの先生も言ってるから大丈夫なんだけど、出来るだけ感情に刺激を与えないように言われてるけど。


別に呼吸の病気ではないから心配ないけど、こういう時に発作になる時あるから面倒だ。


「……はあはあ…呼吸器持ってこればよかったかな」