「それで?」


「どうにかして!」


「…はい?」


その後、私は柚里夏ちゃん家にいつものように相談しに来ていた。


というよりは、いきなり訪ねて来たという方が近いが。



「はあー何かもう色々意味分かんない」


柚里夏ちゃんに矢吹くんに言われた事を話したら、柚里夏ちゃんは大きな溜息を付いた。


「だよねー」


「彼、心の中やばいよ、病んでるよ」


「うん、私も思う」


病んでるというよりは、心がないんだと思う。


「それで、ことははどうしたいの?」


「うーん、なんとかしたい」


「抽象的だね。どうなんとかしたい訳?」


どうしたいと言われても、単になんとかしたいだけで、どうこうは考えてない。


「え、えっと…」



゛興味がない゛



「あ……」


ふと頭の中に浮かんだ矢吹くんが言っていた言葉。


「興味を持ってほしい。
私は矢吹くんと仲良くなりたい…」


ぽつりと出てきた言葉に柚里夏ちゃんは「だったら、その気持ち伝えたらいいんじゃない」と言ってくれた。


「でも、大丈夫かな?」


「まあ、難易度は高そうだけどねー」


「柚里夏ちゃん〜っ」


水を差されまた不安な気持ちになる。


「大丈夫じゃない? こういう時のことはって粘り強いというかお節介だもん」


「それは褒めてるの?」


「うん」


褒めてるんだ、あれで…。


(でも、やってみよう)


悩んだって仕方ないし、やってダメだったらまた考えよう。



「柚里夏ちゃんありがとう、私頑張ってみるよ」


そう言って、立ち上がり部屋を出た。


私の返事に柚里夏ちゃんは「うん、じゃあね」と軽い相槌を打っていた。




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いつものようにことはは風のように去っていった。


相変わらず慌ただしい子だこと。


それにしても、ことはが男の子に興味持つなんて。


「不思議な事もあるもんだ」


しかも、あんな難易度高そうな子を。


少し心配だけど、大丈夫だろうか。


ことは、今まで男の子と付き合った事ないのに大丈夫だろうか。


それこそ心配だけど。


男の子の友達も1人しか居ないって言っていて、その子とは適度の話しだけで2人きりの話しもあまりした事ないって言ってたけど。



(あれ? これってやばい系?)


「本当に大丈夫?」


そう思うと、いきなりとても心配になってしまった。


それ以前にあの子のモチベーションも心配だ。


「だ、大丈夫かなぁ」



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