それから数日経ち、また矢吹くんとの間に距離が出来てしまい、私はまた避けるようになっていた。


「へっ? あと5日で帰る?」


「うん、お盆明けの夏期講習もうすぐ始まるし。
というか、夏期講習休んで来ちゃったし」


気が付くとお盆も終って夏休みも後数週間と迫っていた。


そういえば、くるなちゃんは通ってる塾の夏期講習に行っているのだけど、ここに来たのはお盆休み前だったので自動的に休んで来ている事になっている。


「おそらく振替という形にさせられるけどね」


「そ、そっか」


「それに、ことは学校行かなきゃでしょ?
少し早いけどちょうどいいよね」


夏休みの最後の週に部活があるから行かなきゃだけど。


「そうだね。うん、分かった」


(そっか、あと5日か)


このまま何もなく帰るなんて、何か矢吹くんにしたいと思うけど、何をどうしてどう言ったらいいのか分からない。


ただでさえ喧嘩したみたいな感じになってて気まずい感じなのに。



「……どうしたの、ことは?」


「あ、ううん別に」


矢吹くんとの事をくるなちゃんに話したらどうにかなりそうだから、言わない方がいいのかもしれない。


ヘタしたらくるなちゃんは矢吹くんに怒り兼ねない。


くるなちゃんは私に変な事が一つでもあると目の色を変え豹変する所があるから。


そうあの日からずっと、くるなちゃんはまるで騎士のように怖いもの全てから私を守ろうとしてくれている。


(…うーん、相談しにいこっかな)