「感情や自我があっても、俺にとって必要性のない人間を視界に入れたって仕方ないから。だから、何されても感情を持たないようにしてるから妹も父親もどうでもいいし仕方ない事だって諦めるんだよ。
でも、俺に愛情を向けた人が必要性のない人によって傷付けられたり利用されたら、腸が煮えくり返るぐらいに腹が立って仕方ないんだよ。別に俺はおまけで出来たものだから、俺が傷付けられても何しても構わない。
だけど、嫌なんだよ…悪い事なんてしてないのに、ただあんたのやった事ですべて白紙になるなんて、そんな悲しい事あるっ?」
「……っ」
強く放たれた矢吹くんの透き通った柔らかな声が部屋中に響き渡る。
どうしてこの人はこんなにもすべてが綺麗なもので出来ているというのに、なんで心が危うくて不安定で欠けているんだろう。
なんか悲しい…。
「君には分からないよね、幸せに育った君には。
どんなに見た目や出ているものが完璧でも、中身は空っぽで欠けているんだよ」
「……」
矢吹くんが出しているかわいい笑顔や柔らかく透き通った中性的な声や創造力や嗜好性のある作りだす作品も全部仮面を被って接しているのだろうか。
そう思うと悲しくなった。
「っ」
私はいつも怖がって怖がって誰かに惨めに思われたくなくてひたむきに隠し続けて続けてきたのに、矢吹くんは隠す以前に他人にどう思われても惨めにも可哀想とも思われてもどうでもいいと感じるなんて、もっと自分の心に感情を持っておかないと苦しくなるのは彼自身なのに。
なのに、なんで…なんで……。
こんな事を思っても彼には響かないんだろうけど。
でも、俺に愛情を向けた人が必要性のない人によって傷付けられたり利用されたら、腸が煮えくり返るぐらいに腹が立って仕方ないんだよ。別に俺はおまけで出来たものだから、俺が傷付けられても何しても構わない。
だけど、嫌なんだよ…悪い事なんてしてないのに、ただあんたのやった事ですべて白紙になるなんて、そんな悲しい事あるっ?」
「……っ」
強く放たれた矢吹くんの透き通った柔らかな声が部屋中に響き渡る。
どうしてこの人はこんなにもすべてが綺麗なもので出来ているというのに、なんで心が危うくて不安定で欠けているんだろう。
なんか悲しい…。
「君には分からないよね、幸せに育った君には。
どんなに見た目や出ているものが完璧でも、中身は空っぽで欠けているんだよ」
「……」
矢吹くんが出しているかわいい笑顔や柔らかく透き通った中性的な声や創造力や嗜好性のある作りだす作品も全部仮面を被って接しているのだろうか。
そう思うと悲しくなった。
「っ」
私はいつも怖がって怖がって誰かに惨めに思われたくなくてひたむきに隠し続けて続けてきたのに、矢吹くんは隠す以前に他人にどう思われても惨めにも可哀想とも思われてもどうでもいいと感じるなんて、もっと自分の心に感情を持っておかないと苦しくなるのは彼自身なのに。
なのに、なんで…なんで……。
こんな事を思っても彼には響かないんだろうけど。