「ありがとう、結局手伝ってもらっちゃって」


「いいえ」


荷物整理を結局手伝ってあげて、矢吹くんの荷物は意外にも結構多かったせいか、だいぶ時間が掛かってしまった。


「結構多いんだね」


「服より小物とか材料が多いからね」


「うーん」


というよりは全体に物が多い気がするけど。


それでもすべて収まりきったというのもすごいや。



「あーお腹すいたねー」


「そうだね」


何か食べたいと思って1階のリビングへと降りた。


「おばあちゃん、お腹すいた〜」


「あら、ことはちゃん。荷物整理 手伝ったの?」


「うん」


「そう、えらいね」


「へへ」


褒められると少しだけ嬉しい。



「ねえ、ことはちゃん」


「んー?」


おばあちゃんが用意してくれたおやつを食べ終わった頃、おばあちゃんはある事をお願いしてきた。


「おつかい?」


「そう、だめかな?」


「いいよ」


「本当? ありがとう」



おばあちゃんからお金とメモを貰い準備していると、矢吹くんの姿が見えて声を掛ける。



「矢吹くん!」


「あ、ことはちゃん。どこか行くの?」


「おつかい頼まれたの。矢吹くんも一緒に行かない? あ、道案内ついでにしようっか」


あ、でもこの町にはよく来てるみたいだから知ってるのかも。


「あーうん、お願いしよっかな。こっち側ってあまり知らないから。それにこの町に来たの久々だから」


「そうなんだ、じゃあ行こっか」