「………」


今日はあまり気分が良くない。


時々、気分が下がる時がある。


おそらく昨日病院に行ったからだ。


私はちょっとした事でもすぐに気分が下がってしまう。


しばらくすれば元に戻るけど。


でも、小学生の頃から比べればだいぶマシになったと思う。


あの頃の私は嫌な事だらけで、全てが嫌で不登校ばかりしていたから。


昼休み私は中庭の自販機コーナーの場所に向かうと、くるなちゃんと雫鈴先輩達が居た。


私は思わず後ずさった。


現れたらまた何か言われそうだ。


(他の所いこう)


どんよりした気分のまま踵を返した。


と、踵を返した突如後ろから声を掛けられ、振り向くと雫鈴先輩が近寄ってきた。



「先輩…」


「月野さん」


「どうしたんですか?」


「うん? ああ、姿見えたからでも帰っちゃうからなんでかなって思って」


「あ、そうなんですか。その、くるなちゃんいるし、それに…どうせ何かまた言われそうですし。ジュース買いに来たんですけど、他の自販機に行こうと思って」


「……そっかそうだよね」


雫玲先輩は何を思ったのか分からないけど、少し申し訳ないような表情をしていた。


「いえ、別に先輩は…」


「ねえ、何買いに来たの? 紅茶かな?
この前買ってたやつだよね」


「そうです」


「分かった。ちょっと待ってて」


「えっ雫玲先輩?」


そう言って先輩は自販機の方へと向かっていった。


「………」



それからすぐにして雫鈴先輩は戻っては、買ってきてくれた紅茶を顔にぴとっと当ててきた。


「ひゃ」


「あは」


「!?」


冷たいものが急に顔に来たので、思わず声を出して驚いてしまった。


「ごめん、びっくりした?」


「雫鈴先輩…」


先輩はおそらく悪気はなくいたずら気なのだろう。