「あの、くるな先輩」


「ん?」


「くるな先輩って妹さんと仲悪いんですか?」


「えっそんな事ないと思うけど」



唖桐くんは気になったから聞いただけと思うのに、彼の友達の女の子が嫌味ったらしく言ってきた。



「単なる妬みでしょ。比較され嫌われてるしね」


「…は?」


その言葉に唖桐くんは一瞬低い声で友達を睨んだ。


「えっとことはの事、気になるの?」


そういえば、この前もことはの事を知らなかった様子で聞いてきていた。


「あ、いや…その、かわいいなって思って。すごく…」


「えっ」


その時、唖桐くんはほんのりとと頬を赤くしている気がした。


「いや、確かにかわいいけどさ、くるな先輩と比べたら」


でも、唖桐くんの友達は否定するように私と比べる言い方をする。


(まただわ)


「はあ、うるさいよ。
いちいち否定するのやめろよ。うっとうしい」


「ちょっ唖桐。別にあたしは本当の事」


「はあ?」


私は少し嬉しくなった。


ことはのことを否定しない事に。


「ことはの事を否定しないんだね」


「えっだって、あの子すごいと思いますよ。
あとめっちゃかわいい」


やっぱり唖桐くんは不思議な人だ。



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