「おかえり、ことは」


「うん…ただいま」


家に帰るとくるなちゃんに迎えられた。



「そういえば今日って病院の日なのね」


「うん」


3ヶ月に1回は病院で診察があるので、その日はいつも学校を早退してそのまま病院へ向かっている。


学校側には最初に報告しているので先生には理解を得てもらっているが、クラスメイトには私が病気がある事を一切伏せているのでいつも家の用事で早退している事にしている。


中学の時もそんな感じで隠し通していた。


ただ、何の用事と聞かれても決して教えたりはしなかった。



一度この病気の事を小学生の時に仲が良かった子達に言ったら、なぜかわからないが酷く気味悪がれ、それからはわざと嫌味な言い方や変な避け方をされるようになった。


その事が原因で一時期 人間不信になり、他人を怖がるようになった。


それは今でも続いていて、他人の感情がどうしても気になってしまい、本心なのか嘘なのかわからなくて、それがすごく心のない感情に見えてしまう。


だから、知られたくない。


どんなに仲良かった子でも、本当の事を伝えると、手のひらを変えるかのように態度を一変する。


だったら、もう誰にも言いたくない。


知られたくない。


隠したままでいい。


ただでさえ、嫌な思いばかりしているのに、これ以上私の生活に辛い感情増やしたくない。


だったらずっとずっと言わないままでいい。