「赤羽の好きな人はーーーーー………」
聞いちゃダメなはずなのに…
聞きたいって思ってる自分がいる。ダメなのに…っ!

「坂下 マナ!」


……………………………え?
マナ………?
マナだったの?

…っ。
よりによってなんでマナなの?
なんで…私の友達なの?

「は…?
私…?」
「ほらみろよー!
「俺の好きな人は坂下マナ」って書いてあんじゃん!」
確かにあれは…

赤羽くんの字だ…

「坂下はどう思ってたー?
赤羽のこと」
マナ…
どう思ってたの?
「赤羽くんは…いい子…だったけど友達以上に思ったことないよ。」

「なんだ、つまんねーの!」

つまんないって…

「…達の方がつまんない」
「は?
なんか言ったか?
金原」
…っ。
「あんた達の方がつまんない。
赤羽くんのノート勝手に見て好きな人公開されて…
赤羽くんの気持ちになってみなよ!
…………全然面白くもなんともない。
世界で一番くだらないことやってるよ?
あんた達。
少しは自覚しなよ」
口が勝手に動いていた。
だって赤羽くんのことバカにしてるんだよ?
勝手にノート見てるんだよ?
それを見て笑ってるんだよ?
ホント
面白くもなんともないよ。
「女の癖に調子に乗ってんじゃねーよ。
ふざけんな、金原!」
……っ、叩かれる………!
…あれ?
私はゆっくり目を開けた。
「くだらないことしてんじゃねーよ」
一瞬だけ赤羽くんの声がしたような気がした。
そんなわけないよね…
「あ…れ?
手が動かねぇ…」
え、
やっぱり赤羽くんが?
あ…
「も、もう大丈夫だよ…!
赤羽くん!」
「赤羽…?」
あ、変な人って思われたよね…(笑)
フワッ
「あ、手が動く…」
私は確信した。
今ここに赤羽くんはいた。
守ってくれたんだ。
(ありがとう。赤羽くん)
心の中で赤羽くんにお礼を言った。