奏斗Side
『うぅ、かみなりこわい。』
今でも鮮明に覚えている。確か、お泊まり保育の時だったか。その日は、台風が近くが接近していて夜に台風が上陸していた。そうしたら、雷がなって、部屋の電気が消えてオレと悠介に『こわい。こわいよぉ。』っていって抱きついてきて『だいじょうぶ。』『ぼくたちがいるから、ゆい、なくなよ。』って2人で励まして、今思い出すと、本当に唯が可愛くて好きなんだってよくわかる。いつからだろう…。こんなに唯のことが好きになったのは…。今は、高校にあがって、中学の頃なんか、悠介は主席をよく取る頭いいやつになってるし、唯は、人見知りと男性恐怖症で誰とも話さずオレか悠介かとしかいないし。明日から、高校に行くのか、めんどくさぇな。ん?チャット来てるし、唯か。悠くんと奏斗くんに大切な話があります。お昼食べに家に来ない?か、どうせ暇だし、行ってあげてもいいか。
悠介Side
唯が今日僕たちをこの家に呼んだ理由。うすうす気がついてた。でも、なぜか辛い。なぜかは、分からないけど。あの言葉がずっとリピートされている。『悠くん、奏斗くん。私、明日から、友達作る。だから、あんまり一緒にいないで…。』あのときの唯の声、震えてた。僕は、一体唯に何してあげればいいんだろう。
「唯。無理すんなよ?なんかあったら、いつでも頼っていい。だから、あんまり一緒にいないで。とか言うなよ。」
「でも、私、いつも
「いいの。唯は、僕に守られていれば。」
そう言って抱きしめていた。
「悠くん?」
「あっ、すみません。」
たぶん、理性を60%ほど失っていた。なんでだろう。特に最近、唯の前だと、自分が自分ではなくなってしまってる。なんだよ、ほんとに…

〈翌日〉
学校に行きますか、唯と奏斗も待ってるし。あのあと『また、明日。あんまり無理しなくていいから。』なんてこと言って帰った。でも、その場に唯がいなかった。奏斗がおかしいって言って今は、唯の家の前。たぶん、僕のせい。昨日、僕があんなこと言わなければ普通に考えて来てるだろうし。
「唯ー。オレと悠介。学校行かないの?」
『ん?奏斗くんと悠ちゃん?えっ!もうそんな時間!?ちょっと待ってて今支度する!』
寝坊…?なんだよ。心配しすぎた。まぁそうだよな。唯の両親、海外赴任中だ。本当は、唯も行くはずだったんだけど、本人が嫌って言ってるし、僕の母によると、僕たちがいるから、なんかあっても大丈夫らしい。『だから、なんかあったら助けてあげなさい。』とも言われた。でも、中学の頃と変化したところはどこもない。そして5分後唯があわてて家から飛びだしてきた。でも、慌ててきたのだろう…寝癖が直ってなくって…可愛いけど一応、身だしなみはしっかりといた方がいいだろうし、
「唯、時間あるから髪、編んであげるよ。」
昔から、唯の髪を編んでたし、入学式にこれだとさすがに唯がかわいそうだ。
〈数分後〉
「出来た。唯、出来たよ。」
「うわぁー。可愛い!ありがとう!」
今回のは、自分でもかなり出来たと思った。でも、その時僕が気にかかったことがあった。奏斗の様子がおかしいってこと。ただ、その悩みは、分からなかった。

奏斗Side
悠介は、昔から唯の髪を編むのが好きで、俺も"嫉妬"してるんだと思う。悠介は、そんな俺を気にしてた。でも、悠介には分からないよ…絶対に。だって、悠介は、気づいていないだけで唯のことこと好きだもん。多分、唯も悠介のこと好きだろうし。俺、どうすればいいんだろう。このままじゃ、2人と話せなくなる。