私は蜂が私を抱く理由は
私が初めてのあの日、愛を感じたいと言ったからだと思っている。
傷付けた分、愛を与えようとしてくれている
所謂罪滅ぼしなのだろうと。
きっと、私がもういいよって一言言えば
蜂は解放されるのだろう。
そうしてあげるべきだということは分かっていた。
でもまだそれが出来ずに居た。
私は弱虫だ。強くならなきゃ。
いつもそんなことばかり思っていた。
今日はもう遅いからということもあり
しばらく話した後、2人は帰って行った。
2人が部屋のドアを出た瞬間
一筋の涙が流れた。
友達の暖かさと私の弱さ。
いろんな意がこもった涙だった。
その後、久しぶりに自分を傷付けた。
こんな自分が嫌だった。
ねぇ、愛しのあなた
弱くてごめんね
手放せなくてごめんね
あなたの幸せを願うなら
早く手放してあげなきゃいけない
昔の私はそれが出来たのに
いつからこんなに弱くなったんだろう
ごめんね
あの日から幾日か経った。
私は母と共に、久しぶりに学校へ来ていた。
相変わらず車椅子でしか移動出来ないでいた。
今日来たのはある決断をする為だ。
母と散々話し合って決めたことがある。
それを実行に移すには、担任に会う必要があった。
授業中の生徒が少ない時間に事務所へと行く。
そこで担任を呼んでもらうと、しばらく外で待っていた。
久しぶりの学校。
前は私もここで皆と勉強したりしていたのに。
そう考えると少し泣きそうになった。
でも今は泣いている場合じゃない。
浮かびかけた涙を振り切って、私は笑った。
作り笑顔にはもう慣れていた。
母や蜂、星達を心配させないように
必死に笑顔を作るようになっていた。
しばらくすると担任がやって来て、
空き教室へと通された。
「久しぶりだな、蜜。最近痛みはどうだ?」
担任は笑顔で話しかけてくる。
「見ての通り、相変わらずですよ。歩けないし、激痛も多いんです。」
自分で言っていながら嫌になった。
そう、私の体調はちっとも変わってやいなかった。
でも暗い雰囲気になるのが嫌なので
なんとか笑顔を作ろうとする。
きっと苦笑くらいだっただろう。
私の様子に余計担任は心配したようだった。
「そうか。自傷行為は辞めれそうか?」
母ももう知っていたから、お構い無しに担任は聞いてくる。
「最近かなり減りました。跡は消えないけど。」
そう言って腕を見せると、担任は少し安心したようで
「頑張ってるな。えらいえらい。」
まるで子供扱いみたいに私の頭を撫でる。
「もう、先生恥ずかしいよ!」
そう言うと私は自然と笑顔になっていた。
「悪い悪い。で、今日の話というのは?」
やっと本題に入った。
私は言うのを少し躊躇った。
決めたこととはいえ、やっぱり言いたくない。
そんな私の様子を見兼ねた母が話そうとしたけれど
私はそれを手で制する。
自分で言わなきゃ。そう思った。
「あのね、先生…」
「私、学校辞めます。」
私はしっかり担任の目を見て伝える。
そう、私はこの学校を辞めようと思う。
「理由は?」
真剣な目をした担任が聞いてくる。
「この体調じゃ多分休学期間終わっても登校できないし、留年しても学費が勿体無いと思うんです。」
「だから辞めて家で療養しようと思ってます。」
そうやっとの思いで伝えた。