その瞬間、大きな警報が鳴り響いた
「な、なにこれ。」
「これは……侵入者を知らせる警報だよ。
俺は明彦さんのところに行くけど、No.2も来る?」
「……うん。」
コントロールルームに行くと、たくさんの防犯カメラの映像を前に、研究員たちが忙しなく動いていた
「明彦さん!!これって……。」
「No.3。
お前は侵入者を排除してきてくれ。」
「分かった!!」
「No.2。
お前はこっちだ。」
言われるがまま、明彦さんについていく
暗証番号を入れたりなど、いくつものロックを潜った先には部屋があった
子供たちが入っているカプセルに囲まれ、そこからコードが真ん中のカプセルに繋がれている
「これは……?」
「この子たちは全員No.1と2のサンプルを植え付けられ、まだ完全にシンクロしていない状態だ。
そこに成功体であるNo.2の力を注ぎ、完全体にする。」
どうして……そんなことを……
もし、私がそのカプセルに横になってしまったら、この子たちは私と同じ人生を歩むの……?
生きているだけで人には標的にされ、身体の中では暴れたいと力が暴走する
その力で、知らない間に誰かを傷つけてきた
それを、この子たちにもさせてしまうの……?
「嫌です……。」
「お前にその拒否権はない。」
「私みたいな人生を、この子たちに送ってもらいたくない……っ。」
「ここでお前が拒否すれば、この子たちはその人生すらなくなる。」
「どういう……」
「今、この子たちは体内に植え付けられた力に生かされている。
その小さな力で必死に生きようとしているが、それもやがて尽きるだろう。
ならば、今ここで完全体にしてやるべきじゃないのか?」
私が拒否すればこの子たちは死ぬ……
でも応じれば、この子たちに待っているのは絶望……
どうすればいい?
どうすればこの子たちを救ってあげられるの?
ごめんね
私には……これしか思いつかなかった
ゆっくりとカプセルに歩く
私を恨んでくれていい
私に復讐してくれていい
私には、あなたたちを死なせるなんて出来ないから
だから……どうかこの先の人生で、私が出会った大切な人たちのような人があなたたちにも現れることを、祈るから