「まぁ、そんなわけで本題に戻るわけだが……。」
麓絽が話を進めようと割って入る
「俺たちがこいつらに出会ったのは路地裏だった。
ボロボロで意識朦朧としていた2人をREDMOONに運んだ時は大変だったなぁ。」
「その時の真白は狂犬だったもんね。」
「もう殺気がやばかったもんな!!」
うるさいぞお前ら
「せやけど、何でBlue skyの象徴だった真白さんがREDMOONの長になったんすか?」
「真白も記憶を失っていたからだ。
自分たちが蝶だということを忘れて、俺たちと一緒にREDMOONに入ったんだ。
まぁ真白の中には力が宿ってるわけだから、めちゃくちゃ強くて速攻で長候補だったけどな。
だけどある日、蓮司がBlue skyの奴らに襲われてな。
こいつは1人でBlue skyに乗り込んで、あと少しで壊滅まで追い込んで帰ってきやがった。
その時だ、何かの拍子に記憶が戻ったんだ。」
「そして真白は俺たちに言ったんだよ。
"止めなきゃいけない。
あいつはきっとまだどこかで計画を続けてる。"って。
そこで俺たちは知ったんだ。
真白とクロが歴代ずっと探し続けてきた蝶なんだって。
俺たちは悩んで決めたんだ。
真白はクロと離れることを。
俺たちは真白と共に計画を止めることを。」
「だから私たちはこの数年間調べ続けました。
そこで麓絽から、クロがREDMOONにいることを知りました。
慌てた私たちは役割を決めることにしました。
私は刑事として、奏は情報屋として情報を集めること。
麓絽と航はクロのそばで見守ること。
私の弟の修司にはREDMOONに潜入してもらいました。
そして真白は私たちの司令塔として。
Ghostになっていたのは情報を集めるためでもありましたが、一番は殺がクロの身を案じてあのような格好をとって暴れていたからです。
少しでも向こう側にクロだと悟られないように、私たちも似たような行動を起こして撹乱させていたのです。
まぁ結果としてクロは記憶を取り戻してしまったわけですが……。」
「まぁんなことどうだっていいんだよ!!
要するにこれからクロんとこ行くってことだろ!!」
「航もバカなわりにたまにはいいこと言うじゃん。
だから君たちに覚悟はあるかって聞いたんだよ。」
俺たちは生きるだけでも大変だった
外の世界に出てから、路地裏を歩き回り、外で眠り、神矢組では力を暴走させ自ら去った
存在だけで周りに被害が出て、普通がどういうものなのかさえクロに教えてあげることが出来なかった