(真白side)
俺とクロは小さい頃に両親を失った
クロはまだ幼く、俺がどうにかしなければならないと思ったのを覚えている
そこで拾われたのが、ある施設だった
俺はNo.1、クロはNo.2としてよばれるようになった
明彦さんという研究員が毎日俺たちの世話をしてくれて、俺たちも次第に懐いていくようになった
そして5年くらいが経った頃、その日は唐突に訪れた
「今日はお前たちに協力してほしいことがある。」
そう言ってベッドに固定された俺たち
たくさんのコードや機械を身体に付けられ不安になった俺たちは、明彦さんに聞いた
「これ、なに?」
「ただの検査だ。心配するな。」
まぁ検査は機械を使うものだし、と思っていた
だけどそれはとんだ勘違いだった
訪れたのは、神経を貫くほどの激しい電流と内側から焼けるような痛みだった
痛い……熱い……
声にならないほど耐え難い苦しさ
でも、俺はゆっくりと手を動かしてクロの手をぎゅっと掴んだ
クロだけは守りたい
クロだけは傷つけたくない
俺には、クロが全てだから