「確かに、よく栄養剤って言って薬飲んでたような気がするけど〜……。」
「それは麓絽が出していた、力を制御する薬だ。
だからあの子は本来の力を、殺が出てきた時にしか使えなかった。」
確かに、殺の時の力は凄まじかった
1人でこの世界の敵を殲滅出来るほどだろう
「でも、それが効かなくなってきた。
あの子が覚悟を決めたからだ。
君たちを守るためなら犠牲になっていいと。」
「俺は反対してたけどな。
こいつらの使う蝶の力ってのは、植え付けられたやつの命を原動力にしちまうから。」
命……?
「それって寿命ってことかいなっ!?」
そうだとしたら、クロは何度あの力を使った?
殺は俺たちのもとに何回出てきた?
どれも自分じゃない誰かを救う時だ
これがあいつの……犠牲になるっていう本当の意味か
……もうそこまで完成させてたってことか
「ここから先は過去の話をしなければならない。
それには、君たちの話もしなければならない。」
そう言って真白さんは俺と紫苑を見た
「いい。いずれ話すつもりだった。
俺も紫苑も。」
「……ここが話し時。」
「分かった。
じゃあ全て含めて俺から説明させてもらおう。」
そして語られた蝶の真実
俺たちは進むか、立ち止まるか