「まず君たちに知ってもらわなきゃならないことがある。
君たちは『蝶』を探している。
そうだろう?」





その単語に、心臓が不規則な音をあげた







代々語り継がれてきた伝説



膨大な力を持つ蝶を手に入れられれば、その代は安泰になる



俺たちはあまり伝説には興味がなかったが、それをBlue skyも狙っていると知った時、REDMOONを潰されないためにも蝶を探していた





「だけどあれはただの伝説やと思っとったけど。」





結局、どれだけ探しても蝶の手がかりはなく、探すことさえ諦めていた





「いや、蝶は実在する。
そして、現に君たちはそれを手にしていた。」



「僕たちが持ってた……?」



「君はもう気づいているだろう?今代の長。」





あぁ、全てが繋がっていた



あの日No.3がクロの前に現れた時から



いや……本当はもっと前から気づいていたのかもしれない



クロの中に眠る殺を見た時から





「蝶は……クロだったのか。」



「クロちゃんが蝶……っ!?」



「そんなことって……っ、」



「正解だ。
あの子は蝶。
正確には"俺たち"が蝶だ。」





俺たち……?





「八雲クロは、俺の妹だ。
妹はREDMOONを象徴する蝶として。
そして俺はBlue skyを象徴する蝶として。
蝶は2人いる。
君たちも見たことがあるだろう?
これと同じものを。」





そう言って真白さんが一度瞼を閉じ、開けた時には……瞳の色が青く光っていた





「……殺の時と、同じ現象。」



「殺は、あの子に植え付けられた力から生まれたものだ。
あの子が薬を服用していたのは知っているか?」