約束の時間
倉庫にはREDMOON全勢力が集まったといってもいいくらいの人数がいた
あの日のことが耳に入って疑心暗鬼になっていたやつも多かったが、それ以上にクロの行動に納得出来てないやつが多かった
それだけここにいるやつらはクロに惹かれていた
クロは俺たち以上に下っ端たちと接していた
それに傘下のやつらの名前もちゃんと覚えていた
クロは、世間からはぶかれていた俺たちに、何の見返りもなくただ幸せだからそばにいると言った
そんなクロがあんなことするはずないと誰もが信じていた
だからこうして集まってくれた
「そろそろ時間だね〜。」
「あぁ。」
「やぁ、ちゃんと信じてくれたみたいだね。」
この間と同じ声が聞こえたと思うと、Ghostは唐突に姿を現した
「ということは、覚悟が出来たのかな?
あの子を救い出す覚悟が。
あの子の全てを受け入れる覚悟が。」
Ghostが纏う雰囲気の変わりように動揺するやつもいたが、手で制する
覚悟、か
正直、その覚悟ってのがどれだけのものなのかは分からない
あいつが抱えてるものの大きさも何も知らない
それを、守れなかった俺なんかが背負っていいのかも分からない
だが……
「REDMOONはあいつを守り抜くと誓った。
そう宣言したあの日から、この決意が揺らいだことはねぇ。」
「クロちゃんは僕を受け入れてくれた。
だから僕もクロちゃんを受け入れるよ。」
「クロにはまだ返してへん借りがある。
このままっちゅーのも後味悪いからな!」
「……俺の中にある気持ち、クロにもらった。
だから、なくしたくない。」
「やっと信じようと思えたんだ。
今度はお嬢さんじゃなくて、ちゃんと名前で呼びたいから。
だから次がなくちゃ困るんだよ。」
迷うことなどない
俺たちの覚悟は、あいつをここに連れてきた時からずっと変わらない