俺が倉庫に戻ると、今日は久しぶりに全員の姿が見えた
「翔、今日の20時全員を集めろ。」
「どうして?」
「分からねぇ……。
だが、Ghostがそう言った。」
「大輝、Ghostに会ったの〜?」
「なんやそれ、意味わからん。」
だけど翔だけは何か考え込んでいた
「翔?」
「……分かった。連絡しておくよ。」
「大輝、それなに〜?」
「大輝が本なんて珍しいやん。」
そう言って指さしたのは俺が持っている本
「これは、クロがBlue skyに渡していたやつだ。」
「……クロが……っ!?」
「とりあえず開いてみたら?」
開くと、それは本じゃなくアルバムだった
凜と慧が走り回ってる写真
紫苑や俺の寝顔の写真
翔がパソコンをしてる写真
慧がバイクに乗ってカッコつけてる写真
凜がお菓子を食べてる写真
紫苑がうたた寝している写真
全部のページが、俺たちや下っ端たちの写真で埋め尽くされていた
「懐かしいね〜……。」
「クロはカメラ持っとるイメージやったからな。」
俺たちが過ごしてきた時間がここにあった
だけど、なぜか違和感があった
なにかが足りないような
「……これ、1枚もクロが写ってない。」
紫苑が呟いた時、俺たちはページをめくり続けた
そうか
こんなにもたくさんの写真があるのに、クロが写っている写真が1枚もない
クロがここにいたという痕跡が1つもなかった
この写真の時間の中には、確かにクロもいたはずなのに
「クロちゃん……どうして……。」
「……ざけんな……ふざけんなっ!!
こんなの残して何がしたいねんあいつは!!
もう俺たちの中にはあいつがいんのに、今さらこんな写真であいつの存在消せるかっちゅーねんっ!!」
慧の言う通りだ
今さら消せるか
こんなもので消せたら、この1ヶ月誰も苦しんでない
後悔なんかしてない