「本当に行くのか?」
「うん。」
「後悔しねーのか?」
「うん。」
「そうか。ならいい。」
「みんな、こんな知らない私に協力してくれてありがとう。」
「蝶の情報は得ました。
それだけでも十分な対価です。」
「昴くん、よろしくね。」
「分かったよ。
ちゃんと届けるから。」
「またいつでもこいよ。」
「ありがとう、拓斗。
じゃあみんなも元気で。」
「やぁやぁ、約束通り来てくれて嬉しいよ。
君から連絡が来た時はすーっごく驚いちった!」
「記憶も戻ったし、他に行く場所もないから。」
「あそこに残ってれば良かったのに、なんで出てきちゃったの?」
「真実を知りながら今までのようにあそこに居座る権利は私にはないよ。
それに、私たちを"生んだ"あの人が何もしてこないわけない。」
そう言うとNO.3はケタケタと笑った
「確かにそうだねえ。
あの人は優しいけど、俺たちのことになると怖いからねえ。」
優しい……
「じゃあいこっかNo.2。」
籠から飛び出した蝶は、その短い自由を唐突なまでに奪われる