(大輝side)



「ごめんね、みんな。
……私が、REDMOONの裏切り者だよ。」





俺たちの前に立ったクロは、淡々と言った



なぁ、なんでお前はそんな顔してんだよ



どうしてお前は俺の隣にいねぇんだよ



俺の隣にいろって言ったじゃねぇか



お前も俺の傍にいるって言ったじゃねぇか



約束、破んじゃねぇよ……





「私、Blue skyの幹部なの。
涼が入院してた時に代わりに入って。


みんなと初めて会った時から、私はずっとみんなを騙してきた。


楽しかったよ。
みんなが私を信頼してくれるのを嘲笑うのは。


滑稽だったよ。
敵に過去を打ち明けてバカみたいって思ってた。


ちょっと刺激が欲しくて情報漏らしてみれば、あっさりやられちゃうし。


私のこと誰も疑おうとしないで本当にバカみたい。」





そう言って嘲笑う



俺の頭は考えることを放棄して、ただクロを見ることしか出来なかった



俺にとってクロが裏切っていたのかなんてどうでもいい



そんなの分かりきっているから



俺はいつからお前に背負わせてた?



そんな小さな背中に、ただでさえ重いものがのしかかっていたのに



それでもお前はいつも笑っていた



そうやって自分のことを全て隠して





「なんでや……っ!!
クロはそんなやつちゃうやろ!!」



「だから、それがいけないんだって。
そうやってみんなはず〜っと騙されてたんだってまだ分からないの?」





ごめんな





「クロちゃん……だって、僕のこと助けてくれたじゃん……」



「そんなの、恩を売っておけばいつか使えるかもしれないって思ったからだよ。」





ごめんな





「……俺のこと、嫌いだった……?」



「最初から好きだなんて思ったこと1度もなかったよ。
仲間だと思ったこともね。
だからあの暴走の日は、反吐が出るほどめんどくさかったなぁ。」





お前にそんな辛いこと言わせてんのは俺だろう?



言いながらお前が一番傷ついてんだろう?



そんなもん、分かるんだよ



お前のことずっと一番近くで見てきたから



離さねぇように



なくさねぇように