私は帰りのその足である場所に向かった
1度しか行ったことがないけれど無事に着いた
事前に何も言ってないけど通してくれるだろうか
私はゆっくりと、Blue skyの倉庫に足を踏み入れる
「こんにちは。拓斗はいる?」
「え……REDMOONの姫……っ?」
下っ端くんたちが警戒するのが分かった
「急にごめんなさい。
あなたたちを傷つけるつもりなんてないから。
今日は私1人。
ただ、ここの長にお願いがしたくて。」
「ちょっと……待っててください。」
そう言って下っ端くんは上に上がっていった
あの子はナオみたいな立場なのかなとぼんやり考える
この間は拉致されてきたけど、こうやって改めて他のチームを観るのは何か新鮮
「どうしたよ?
お前から来るなんて珍しいじゃねーか。」
上から顔を覗かせた拓斗は、私の顔を見て何かを察したあと手招きした
下っ端くんたちの視線を感じながら上に上がる
今日は幹部が全員いる日らしい
拓斗と昴くん以外は初めて見る顔だった
「あれ、姫さん。今日はどうしたの?」
あの時ぶりに顔を合わせた昴くんは清々しかった
昴くんなりに吹っ切れたんだろう
「おいちょっと待てこの野郎。
なんでお前がクロのこと知ってんだよ。」
「え?あぁ、この前拉致した。」
「拉致ったぁ!?
おいそれ聞いてねーぞ!!
何勝手に敵チームの姫拉致ってんだよ!!」
「だって、ねぇ?
別に僕個人のことで拉致しただけだし、それもちゃんと解決したし。
ね、姫さん?」
「うん、まぁ……そうだね。」
「クロも納得してんじゃねーよ!!
この間普通にしようっつったばっかじゃねーか!!」
「あ、ちなみに。
拓斗が学園祭の時に探してた子が姫さんだったことも最初から知ってたけどね。
あの時姫さんが男装してたことも。」
「は、はぁ!?
ならそれも含めて俺に言えよ!!」
なんだろう、この感じ
REDMOONとはまた違う……
なんというか騒がしいというか
でも楽しそう
やっぱりBlue skyも思ってたより良い場所みたい