案内されたテーブルで向かい合わせに座り、二人分の紅茶を頼む。



「カズ、急にどうしたの?」



鈴葉が、テーブルに広げられたメニュー表を脇に立てかけながら、視線を投げかけた。



「うん、それは僕のセリフかな」



笑顔で返すと、「え?」と豆鉄砲でも食らったかのような顔でハテナを浮かべる鈴葉。



はぁ、と息を吐くと、ますます首をかしげる。



「鈴葉。嵐と何があったの?」



わかりやすく本題を伝えると、鈴葉の綺麗な唇がきゅっと固く閉じた。



「理由もわからずに気まずい空気を取り持つ僕の気にもなってよ」



少し冗談混じりに言うと、鈴葉は「そうだよね」と小さく呟いた。





頼んでいた紅茶がちょうど届いて、それを受け取る。



スティック型の砂糖をシャーっと紅茶に流し込むと、「あのね」と鈴葉が口を開いた。